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「そこ」へ行く。


公演まで1週間を切りました。

今ここで稽古をしている自分を不思議に思います。

というのは、もう芝居はやらないで生きて行こうと思っていた矢先の出来事だったからです。



報道や映画関係の翻訳の仕事で
少なくとも自分ひとりだけでも食わせていけるようになろうと

必死になっていた時、ふと舞い降りてきたお話でした。

翻訳の仕事との両立が大変でしたが、

今は素直に、この芝居に関われたことを、心から嬉しく思います。


特に神様を信じていない私の口癖は「Oh My God」ですが

こんな時、神様はいるんじゃないか。
だから心配することなどないんじゃないかと、

ふとそんな風に思うこともあるのです。

どれだけ突き放そうと、
磁石のようにして私の人生に付きまとってきました、このお芝居というもの。

いったい何者なんでしょうね。よくわかりませんが、大好きです。

大竹しのぶさんが一度インタビューで、役者は、

【「そこに行く」こと】だ、と言っていましたが

その意味が今回漸くわかったような気がいたします。

「そこ」に行くことが役者の仕事。
「そこ」に行く方法論があればどれだけ楽だろうと思いますが

そんなものはないんじゃないかと、最近は思います。
ただ我武者羅ですね。

楽しいです。

今回の演出家さんの頭の中は非常に面白く、
こじ開けて、覗いてみたいと切実に思います。

あぁ、これから人生どうなるんだろう?

私は、統計学やら、心理学に大変興味があって、
たいてい、こういう人生を歩んだ人はこうなる可能性が高いなどという数値に
よく踊らされる人なのですが

そこにはとらわれず、

自分が何を欲しているのか

自分が何を求めているのか明確にし、
ただただシンプルにそこに向かって歩いて行けるような

そんなオンリーワンな人生を歩める人でありたいなーと

思う今日この頃です。


# by actress-mai | 2012-05-18 12:11 | Trackback | Comments(0) 

呪文を唱える。


The Clown Said Noのプレビュー公演が終わり、すぐに体調を崩しました。

私は正直言って体はとっても健康ですが、
神経がどうも不安定らしく、
いろいろと去年からやらかしていますが

今回ばかりは、あんまり記憶がないくらい頭の中で
いろんな旅をしたように思います。

神経の恐ろしさを痛感した2週間でした。



体と心はつながっていると言いますが、

どうやら頭と体はつながっていないようです。




「不安」を排除する方法として、Rational Thinkingというものがあります。
ようは、感情や妄想を取り払って

実際起きたことを並べて、=私は何も悪くない。

と言い聞かせる方法です。

しかし、何度呪文のように「私は何も悪くない。私は何も悪くない。」
と頭の中で唱えても

身体に何の変化も起きませんし、
たとえ大きな声で

「私は何も悪くない!!!!!」と唱えても、
身体はまるで耳を貸しません。

「体験」という言葉がありますが、
本当に「体験」というものは凄まじい存在感で
身体を占めているようですね。

だから、やはり人間を形成しているのは、体験や経験なのだなと感じます。

もちろん、知識も大事ですが、
やはり体験がすべてなのですね。




ここ2週間、ほとんど朦朧としながらも、
いろいろ考えました。

そんな中、私の苦手な春も到来し、
桜も咲き乱れていました。

四谷近辺の桜の中を歩きました。やはり綺麗ですね。

しかし、なぜか春は苦手なのです。
出会いの季節のようにも思えますが、わたしにとっては
「別れ」の経験のほうが強く先に出てくるものですから

春の香りを嗅ぐと、どうも憂鬱な気分になるわけです。

さて。そんな中、新しい舞台の稽古が始まりました。

素晴らしいメンバーです。参加できて、光栄です。
コメディーですので、もちろん、キャラクターは繊細に作り上げていく予定ですが
これほど演じていて楽しいのは久しぶりですね。

昔は、いろいろと躊躇していましたが、
最近開き直ったというか、正直、ドン引きされる可能性の高い役ですが

それでもいいかなと思えるようになりましたわけです。
今回は、なるべくあまり頭は使わず、自分の今までの経験を信じて
思いっきり演じてみたいと思っています。

「The Truth Game」
作・演出:望月章男
制作・演出助手:加賀彩乃

出演:二階堂智、田辺日太、管勇毅、望月章男、雨宮俊夫、橋本一郎、實川阿季、
奥津裕也、遠藤祐美、石川麻衣、岡本恵美
(雨宮俊夫と橋本一郎はダブルキャスト)

場所:中目黒Woody Theatre(ウッディーシアター)
前売り:3500円
当日:3800円

5月23日19:30
  24日14:00 ,19:30
  25日19:30
  26日14:00 ,19:30
  27日14:00 ,18:00

協賛:ワイ・ケイ事務所
協力:鈍牛倶楽部 オフィスエージェントタクト ダブルエッジ



# by actress-mai | 2012-04-22 22:49 | Trackback | Comments(0) 

表現し続ける難しさを超えて。


戦時中、戦争に反対した一人の男がいた。
男は牢獄の中で、独り言のように話し始める。

「お前に、あるサーカスの話をしよう・・・・・。」

ピエロのペトロニアス、ロバのセオ、ポニーのほーディー、ハトのピア、
ライオンのガス、犬のオトー、キリンのルイーズ、ねずみのチュー。

ただ自分というものを、知りたかった。
知ってほしかった。
伝えたかった。

自由とは何か。真に生きるとは何か。

「The Clown Said No」 Preview
プレビュー公演

原作:Mischa Damjan”The Clown Said No"

出演:
田辺日太、中村有、曽我部洋士、奥津裕也、米本学仁、久藤今日子​、
梓未來、中川未弥、いまいゆかり、石田寧寿、小川貴史、三木哲也

脚本:浅野光希
歌詞:奈良橋陽子


演出:米倉リエナ
振付:石川麻衣
音響: 木村龍太
照明: 清水健太
ギター: 倉島勲
ピアノ: 水野真紀
パーカッション: 森直也
協力: 堀口貴之

日時:
3月31日(土)13時/16時
4月 1日(日)13時/16時

会場:アップスつつじヶ丘スタジオ

*入場無料(できるだけ事前に予約をお願い致します)

ご予約はアップスアカデミー事務局 小林まで、
お名前・日時・人数をメールまたはお電話にてお知らせ下さい。

Tel: 03-5355-6660
e-mail: kobayashi@upsnews.co.jp

とっても素敵な絵本をベースにした芝居です。

私は、役者にしかできない踊りがあると常に信じています。

こんな素敵な芝居に関われて本当に幸せです。

シンプルですが、普遍的なメッセージがストンとまっすぐに存在する原作です。
なぜか心に響きます。

今回は、小さなアトリエでのプレビュー公演ですが
もっといろんなところでやれたらいいなと思います。

「愛ある場所に疑問は生まれない」

まさにそんな稽古場です。

表現するということは、モノを作り続けるということは、創造し続けるということは

現実的に、いまとても難しい状況にあるように思います。

特に経済面で、です。

しかし、どうにかして、
白、黒、ではなく、

これからの時代、今までの価値観などは壊して、
白が無理なら灰色はどうか、あるいは、白により近い灰色はどうか。
黒がダメなら赤ならどうか。

そのような選択肢を自分たちで考え抜き、

それでも何が何でも作り続ける環境を育てていけたらいいなと思います。




# by actress-mai | 2012-03-27 23:24 | Trackback | Comments(0) 

極端な。あまりにも極端な。



「今、この瞬間を世界中のイラン人が見ていることでしょう。
 そして、彼らは喜んでいると、私は想像します。
 
 この賞や、映画について喜んでいるだけではありません。

 政治家の間で、「戦争」や、「脅威」や、「侵略」と言った言葉が交わされる中、

 今宵は、政治から解放され、
 イランと言う国が、古代から伝わって来た素晴らしいイランの文化について
 語られているのですから。」

                     Asghar Farhadi(映画「別離A Separation」の監督)

2012年、オスカーの外国語映画賞受賞時のスピーチです。

他にもたくさん素敵な瞬間はありましたが、
この瞬間は、客席も静まり返り、
特有の緊張感が走っていたのが感じられました。

感情的にならず、ただ淡々と冷静に、自分で書いてきたスピーチを
はっきりと丁寧に、伝えようとしていた姿が印象的でした。


素晴らしすぎました。

芸術の力を改めて感じた瞬間でした。

さて、色々なスピーチを聴いてていて思ったのですが

今の時代、まさに「中道」というものがとっても求められる時代なのではないでしょうか。

なんてことを想いました。

というよりは、単純にマイブームなのです。



私も過剰なほどの過激なロマンチズムに溺れた後は、
異様なほど冷めたリアリズムに落ち着いてしまう人なのですが

いずれにしても、「楽」なのです。

「贈る言葉」の歌詞を引用するとすれば

「人を信じて傷つくほうがいい」という言葉を鵜呑みにして
自虐的なほど無防備になったと思いきや

その後は「信じられぬと嘆く」、の繰り返し。

何事も、極端は良くないですし、冷静に自分がどうしたいかを分析し、

その「中道」を行くことが、大切なのでしょう。

昔、「ひとつ屋根の下」というドラマの中で、江口洋介さんの演じる熱血お兄ちゃんが妹を
諭すシーンがありました。

「妹よ、今後お前の前に2人の男が現れたら、肩書とか、顔とか、経歴とかそんなとこは見ないでよ、
 手を握るんだ。ぎゅっと手を握ってよ、
 それでぬくもりを感じたほうを選べ。」

みたいなセリフでした。
若い私は、その台詞に涙したわけですが

最近は、「片方が【末端冷え性】だったらどうすればいいの?」
と思ってしまうわけです。

「言葉」というものに、とことん左右されてきた私ですが

そろそろ言葉を鵜呑みせず、しかし、余り客観視しすぎず

ありのままを受け止めて、その真髄を見る力を養う時だなぁと痛感いたします。

報道の字幕を作っていると、本当に痛感します!
いかに冷静に、その言葉の真髄を伝えるかです。

中心というのは、一番バランスの取れる場所ではありますが

一番不安定な場所でもあるがゆえ、
難しいのだと思います。

「中道」を行くぞ。








# by actress-mai | 2012-03-07 23:45 | Trackback | Comments(0) 

化粧をする女。

「私は、化粧をする女が好きです。
   そこには虚構によって現実を乗り切ろうとするエネルギーが感じられます。」
                               
                                  寺山修司


ホイットニーヒューストンのお葬式でのケビンコスナーのスピーチを見ました。

その中に、ホイットニーが映画「ボディーガード」のスクリーンテストの時
厚化粧をしすぎて、照明の熱で化粧が溶けてしまい
途中で中断したエピソードを挙げていました。

彼女は「自分を良く見せたかった」と言ったそうです。

「あれほどの名声や成功にも関わらず、彼女は常に脅えていました。

  私は十分なのだろうか。私は好かれているのだろうか。私は綺麗なのだろうか。

   その負担は彼女を輝かせたけれども、最終的には彼女を壊してしまいました。」




茨城のりこさんの詩を引用すると

「すべての良い仕事の核には、震える弱いアンテナが隠されている、きっと。」

という一節が浮かびます。

私は、こういう人がとても好きです。

私の憧れの方、国谷裕子さんが、スピルバーグさんをインタビューしていましたが、

彼も毎回、撮影所に行く前は緊張するというのです。
いつまでも乗り越えないけれど、それが無いと僕は生きて行けないと。

しかし、少年のようにキラキラした眼をして言っていたのが印象的でした。

出来れば前向きに、緊張もなにもかも、変えてけたらいいなと思いました。

昼間の東京タワーと夜の東京タワー。
同じものでも、随分違うものですね。

夜の東京タワーがとてつもなく好きでしたが、

最近は、夜の東京タワーが好きです。



# by actress-mai | 2012-02-22 22:46 | Trackback | Comments(0) 

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